ライブスコープ(GPSMAP 1022XSV+LVS32+GLS10)の機種選びが終わり、次にぶつかったのが「電源をどう組むか」という問題でした。うちのエレキは24V、レンタルボートに積めるバッテリーの数にも限りがある——この2つの制約のなかで、ノイズ・消費電力・動作下限電圧に悩みながら4つのプランを比較し、最終的に「エレキは24Vリチウム、ライブスコープは12Vバッテリーを昇圧機で24V化」という形に落ち着きました。この記事では、その検討過程と、2シーズン以上使ってみた結果をまとめます。
現状(ガーミン導入前)の電源システム
まず、ライブスコープを導入する前の構成を整理しておきます。
- 魚探:LOWRANCE Elite 7(2D)。12Vを小型バッテリーから給電。
- エレキ:24V。ボイジャー(12V)2台を直列につないで24Vにし、魚探とは別系統。
- ライブウェル:積むときはエレキ側のボイジャー1台を併用。
魚探とエレキを別系統にしていたのは、同じ電源から取るとノイズが乗るのを避けたかったからです。この「別系統でノイズを避ける」という考え方は、このあとのプラン検討でもずっと軸になっています。
ライブスコープを足すと何が問題になるのか
エレキは24Vのまま。そこにライブスコープをどうつなぐかが悩みどころです。GPSMAP 1022XSV も GLS10 も 12V/24V の両対応なので、「本体は24Vにできるけどブラックボックスは12Vのまま」といったちぐはぐは起きず、電源の組み方の選択肢はむしろ増えます。
そのうえで気にしていたのは、次の3点でした。
- ノイズ:エレキと魚探を同じ電源から取ると、これまでどおりノイズが乗るのではないか。
- 消費電力:ライブスコープは従来の2D魚探より消費電力が大きいと聞いていて、エレキと共用だと1日持たないのではないか。
- 動作下限電圧:ライブスコープの動作下限電圧は約10.5〜11V。鉛バッテリー(ボイジャー)はじわじわ電圧が下がるので、エレキならペラの回転が落ちてパワーがなくなるだけですが、ライブスコープは下限を割ると完全に落ちて、使い物にならなくなります。12V系は負荷をかけるとすぐ12V前後まで下がるので、そこから10.5〜11Vまでは意外とあっという間な気がして、そこが一番怖いところでした。
検討した4つの電源プラン
この3つの懸念をどう潰すか、というのが検討の中心でした。
プラン1:ボイジャー2台でエレキとライブスコープを共用
エレキもライブスコープもどちらも24Vで動くので、ボイジャー2台の直列(24V)でまとめて動かす案。ライブウェルを積むときは、これまでどおりボイジャー1台を併用します。
- メリット:追加コストがほぼゼロ。今ある資産だけで組める。
- 懸念:エレキと同じ電源なのでノイズが乗りそう。さらに、消費電力の大きいライブスコープをエレキと共用すると、1日持たない可能性がある。
プラン2:エレキ=24Vリチウム専用/ライブスコープ=12Vボイジャー
エレキ用に24Vのリチウムイオンバッテリーを新調して専用にし、ライブスコープは12Vのボイジャーから引く案。
- メリット:エレキとライブスコープが別バッテリーになるので、ノイズの問題は解決。ライブウェルもボイジャーにつなげばいいので問題なし。
- 懸念:ここでも動作下限電圧がひっかかります。12Vのボイジャーは使用中すぐ12V前後まで下がり、そこから10.5〜11Vまでの余裕が小さいので、ライブスコープが途中で完全に落ちるのが怖い。
プラン3:エレキ=ボイジャー2台/追加でライブスコープ=24Vリチウム
現状のバッテリーを活かしつつ、追加コストを抑えて、かつ電源が落ちる不安の少ない組み方を考えると——エレキはこれまでどおりボイジャー2台を直列(24V)、そこに24Vリチウムを新たに1台足してライブスコープ専用にする案です。ライブウェルもこれまでどおりボイジャー1台から拝借。
- メリット:現状の資産を活かせて、24Vリチウムなら容量・電圧に余裕があり安心して回せる。
- 懸念:バッテリーが3台になること。レンタルでもローボートなら手狭ながらどうにか置けますが、問題はアルミボートです。アルミボートはたいていバッテリートレイが2つで、2台までは素直に積めますが、3台目をどう積むか。トレイに2台+残り1台はデッキ直置き、といったあまり美しくないセッティングになってしまいます。
プラン4(採用):エレキ=24Vリチウム/ライブスコープ=12Vボイジャー+昇圧機で24V化
さんざん悩んで最後にたどり着いたのがこれです。エレキに24Vリチウム、ライブスコープに12Vボイジャー1台。ただし、ライブスコープには12Vをそのまま入れるのではなく、昇圧機(DC-DCステップアップコンバーター)で24Vに昇圧してから、GPSMAP本体とGLS10の両方へ給電します。ライブウェルは12Vのボイジャーからそのまま取れるので問題なし。
- メリット:バッテリーは2台に収まるので、アルミボートのトレイにきれいに載る。エレキとライブスコープが別系統なのでノイズも気にしなくていい。しかも昇圧機を通して24V給電にできるぶん、動作下限電圧までの余裕が大きい。
- 残る不安:昇圧して24V化したボイジャー1台で、丸1日分の容量がもつのかどうか。電圧のほうは、昇圧機の入力が9Vまで対応しているので足りなくなる心配は小さそう——ということで、まずはこの構成で始めてみることにしました。
4案の比較
| プラン | ライブスコープの電源 | エレキの電源 | バッテリー本数 | ノイズ | 下限電圧の余裕 | 追加コスト |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 共用 | ボイジャー2台直列(エレキと共用) | 同左 | 2 | ×共用 | △(エレキ負荷で電圧が落ちる) | ほぼ0 |
| 2 分離・12V | ボイジャー1台(12V直結) | 24Vリチウム | 2 | ○ | ×小さい | 大(24Vリチウム) |
| 3 分離・24Vリチウム | 24Vリチウム | ボイジャー2台直列 | 3 | ○ | ○ | 大(24Vリチウム) |
| 4 昇圧(採用) | ボイジャー1台を昇圧して24V | 24Vリチウム | 2 | ○ | ○ | 大(24Vリチウム)+昇圧機 |
コスト面はプラン2〜4のどれも24Vリチウムの購入が要るのでほぼ横並びで、プラン4はさらに昇圧機のぶんだけ少し増えます。それでもプラン4にしたのは、バッテリーが2台で済んでレンタルのアルミボートに素直に積めること、そしてエレキと別系統にできて下限電圧の不安がないこと——この2つが大きかったからです。
昇圧機(DC-DCステップアップコンバーター)について
このプランの肝になる昇圧機について、選び方と使ってみて分かったことを補足します。
- 選んだ製品:DC-DCコンバーター 昇圧変圧器 12V→24V 15A 360W。入力9〜20V、出力24V・15A(360W)。実売は税込5,000円弱でした。
- ライブスコープ一式(GPSMAP 1022XSV+LVS32+GLS10)の消費電流はこの15A・360Wよりずっと小さいので、容量にはかなり余裕があります。
- 入力9〜20V対応というのが効いていて、元の12Vバッテリーが9V近くまで下がっても出力24Vをキープしてくれます。つまりライブスコープ側から見ると常に24V。鉛バッテリーの電圧降下で「途中で完全に落ちる」という一番の不安が、ここでほぼ解消されました。
- 設置:12Vバッテリーの上に直置き。昇圧機自体は防水ですが、気になるのでバッテリーごとバッテリーボックスに入れて蓋をしています。発熱は特に気になったことはありません。
- 配線:12Vバッテリー →(付属ヒューズ)→ 昇圧機の入力、昇圧機の出力(24V)から GPSMAP と GLS10 の両方へ。ヒューズは付属のものをそのまま使っています。
- 1つだけ注意:バッテリーと昇圧機をつなぐ入力側ケーブルが付属のままだと少し短く、レイアウトによってはギリギリです。設置場所によっては延長ケーブルを用意しておくと安心です。
実際に使ってみた結果
結果を先に言うと、問題なく1日使えています。 導入から10回以上、季節を問わず、ライブスコープを常時表示にして丸1日やっても電源が落ちたことはありません。
残量の確認は、ボイジャー時代は本体のインジケーターで見ていて、赤まで落ちたことはありませんでした。その後ライブスコープ側も12Vリチウム(LiTime。次の項目で書きます)に替えていて、スマホで残量を見られるモデルではないのでデジタル電圧計(バッテリー残量計)を後付けし、それで見るかぎり丸1日使ったあとでも70%くらいは残っています。
ライブスコープは12Vで取るより24Vで取ったほうが映りが良いという話も聞きますし、何より動作下限電圧をほとんど気にしなくていいのが、精神的にとても楽です。
その後:結局バッテリーは2台ともリチウムへ
ガーミンを導入したのが2023年の末。それから2シーズン以上、「エレキ=24Vリチウム/ライブスコープ=12Vボイジャーを昇圧」という構成で使ってきました。
12V側もリチウム(LiTime 12V-100Ah)に替えたのは2026年です。理由は、ボイジャーがへたったからでも、鉛が重すぎて嫌になったからでもなく——リチウムバッテリーが各所で大幅に値上がりするというニュースが出てきたので、「どうせいずれ買うなら安いうち(安くはないですが)に」と手を出してしまった、というものです。家には今でもボイジャーが鎮座していますが、一度あの軽さを味わってしまうと、なかなか元には戻れません。
現在の最終構成は次のとおりです(価格は購入当時の目安。リチウムは相場変動が大きいので参考程度に)。
- エレキ:24V-60Ah LiFePO4 リチウムイオンバッテリー(購入時 約58,000円)
- ライブスコープ+ライブウェル:LiTime 12V-100Ah(購入時 約30,000円)を昇圧機で24V化
12Vリチウムに替えたあとも、ライブスコープへは昇圧機を通して24Vで給電しています。
まとめ:レンタルボートでライブスコープの電源を組むなら
- エレキとライブスコープは別系統にすると、ノイズと動作下限電圧の不安がかなり消える。
- レンタルのアルミボートはバッテリートレイが2つ=2台に収める前提で設計するのが現実的。
- 12Vのバッテリー資産(または安価な12Vバッテリー)を活かしたいなら、入力電圧幅の広い昇圧機で24V化するのは十分アリ。うちは2シーズン以上、丸1日使えています。
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